溺れる人魚姫
赤茶のうねった髪の
下から覗くのは
汗だった。
エリクを探して
城下町を走り回ったのだろう。
エリクは少し罪悪感を感じた。
「《どこ行ってたんですかー!
オウサマの話聞いた後
急に団員置いて
どっかに行くなんてー!》」
「《悪い。ルークス…
少し情報収集を。》」
一言言ってくださいよ。
とルークスはようやく額に滴る汗を
腕で豪快に拭った。
「《それなら私も色々聞きましたよ。
人魚伝説ーとかいうのでしょう?》」
「《やはり
この国では有名なのだな。》」
「《人魚は美しい歌声と美貌で魅了し、
のこのこと寄ってきたものを
海に容赦なく引きずり込む。とか言ってました。
こりゃ。
生きて帰れないかもなぁ。》」
相変わらず軽い冗談のようにいう。
しかしそれが冗談でないことは
彼の手が微かに震えていることから読み取れた。
下から覗くのは
汗だった。
エリクを探して
城下町を走り回ったのだろう。
エリクは少し罪悪感を感じた。
「《どこ行ってたんですかー!
オウサマの話聞いた後
急に団員置いて
どっかに行くなんてー!》」
「《悪い。ルークス…
少し情報収集を。》」
一言言ってくださいよ。
とルークスはようやく額に滴る汗を
腕で豪快に拭った。
「《それなら私も色々聞きましたよ。
人魚伝説ーとかいうのでしょう?》」
「《やはり
この国では有名なのだな。》」
「《人魚は美しい歌声と美貌で魅了し、
のこのこと寄ってきたものを
海に容赦なく引きずり込む。とか言ってました。
こりゃ。
生きて帰れないかもなぁ。》」
相変わらず軽い冗談のようにいう。
しかしそれが冗談でないことは
彼の手が微かに震えていることから読み取れた。