甘い誘惑
え…/////

そりゃあ許してなんかいないけど、馬鹿馬鹿しくてキレる気力もない。

「どうなのよ?」

「うーん…
もう気にしてない」

あたしのその言葉を聞いた瞬間、なぎの目が大きくなる。

「あんた…それ異常だよ?」

「うん。知ってる」

十分承知。

自分が異常なことくらい。

「はああ〜」

なぎは深いため息をついた。

ため息つきたいのこっちなんですけど。

声に出さずにツッこむ。

「…んじゃあ私そろそろ帰るわ!
じゃあねえ〜♪」

え…。もう帰っちゃうんだ…。

でも“行かないで”なんて言えるわけもなく…。

結局

「バイバイ♪」

と言って見送った。
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