明日を見て 〜頑張れ、横山!〜
可愛く笑う瑠花さんは、

「あはは。ないわー。」

即答。

「なんで。」

「あんたねー。自分いくつよ?二十歳のオコチャマと付き合う程、私困ってないし。」

「昨日、別れたんでしょ?」

なら、問題なんかないと言わんばかりに話を続ければ、


「違うわよ!別れたのはもっと前よ!ただたまたま、昔の男が結婚するってだけ!しかも、私の同期とね!寿退社なんて、今時ないつわっての!」


やばい。
やっぱりこの話題は地雷だった。

さっきまで、普通に可愛いかった顔が、また阿修羅かよ。
それでも、
あんな、普通に他人行儀な笑顔より、可愛く見えるとか……。

やばい。
俺やっぱり、間違ってねーわ。



「ごめん。でも、ならいいじゃん。」

「何がよ?」

「俺と付き合うの。」

「辰巳ー。あのねー。」

あー。この喋り方、瑠衣みてーだな。やっぱり姉弟なんだな……ってやばい。瑠衣になんていやーいいんだ!?

俺、おまえの姉貴と寝たから?
いや、付き合うから?
ってか、昨日の今日で、マジでやべーな。

そんな事考えてれば……



「付き合わないわよ。」

「へ?だから、なんで?」

「だって別に好きじゃないもん。」

……。好きじゃない。そりゃ、昨日の今日で、そんな風になるとか、そんな事ないのが普通なのかもだけど……。

「でも、嫌じゃないからしたんだろ?」

「そーね(笑)嫌じゃないから誘ったのよ?でもそれと好きは違うわよ。オコチャマくん♡」

ダメだ。
完全に、年下扱い。

でも、
でも……。
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