楽園
変わらぬ想い
二人は美術館の近くのカフェに入った。
華は前より明るくなって時々笑顔を見せた。
知り合ったばかりの華に戻ったようで
翔琉は華は幸せなんだと思った。
「夏希とは別れたんだ。
気が合わなかったというか…色々あってね。」
華は離婚の大変さを知っている。
翔琉が今、一人で居るのが心配になった。
「俺はきっと誰も幸せに出来ない。
華も俺と別れて良かったみたいだね。」
「翔琉もいつかきっと幸せになれる人と逢えるわ。」
華はそう言ったけどまだ翔琉に未練が無いわけではない。
でも翔琉と不倫したことで健太郎を不幸にした罪がある。
「…もう俺は華を愛したように誰も愛したりしない。」
その言葉が胸を突き刺すように華を苦しめた。
「翔琉…お願いだから…幸せになって。
じゃないと私…」
華はそこまで言って言葉を飲み込んだ。
「大丈夫だよ。俺には華との想い出がある。
華と毎日会って、スポーツクラブへ行ったり、
華の絵を描いたり…
あの頃は楽しかったね。
ずっと友達でいれば良かった。
そしたら今も隣に住んで華を失わずに仲良くしていられたかな?」
華はそれを聞いて涙が出そうになった。
「私はあの時愛し合った記憶が宝物なの。
後悔してない。
翔琉が描く絵を見るたび翔琉とのあの時間を思い出したの。」
「そうだね。
華と愛し合わなきゃあんな絵は描けなかった。
俺が思い出す華は友達の華じゃない。
ホントはいつも淫らなあの時の華だった。」
別れるとき、華は翔琉の後ろ姿を見てすごく寂しくなった。
翔琉はまるで世捨て人のようだった。
華はその背中を追いかけて後ろから抱きしめた。
「翔琉…私…どうしたらいい?
どうしたら翔琉を幸せにできる?」
翔琉はそんな華をまた愛したくなる。
華だけしかもう愛したり出来ないのだから。
「実は…俺は友達の伝で美術関係の仕事が見つかってね。
来月ニューヨークに行くつもりだ。
華…付いてきてくれないか?
連絡待ってるから。」
翔琉は華に連絡先の入った名刺を渡して早足でその場を立ち去った。
華に断られるのが怖かった。
華は封印していた気持ちが一気に溢れてしまった。
忘れようとしていたがやっぱり何年経っても翔琉を愛している。
華は今度こそ翔琉に付いていこうと思った。
例え健太郎を悲しませても翔琉を一人に出来ないと思ったのだ。
そして華は心を決めて健太郎に気持ちを打ち明けた。
健太郎はどこかで覚悟していた。
華はいつかあの男のところへ行くだろうと…
だから籍も入れられなかった。
そして今度こそ華を自由にしてあげようと思った。
「どうしても行きたいんだよな?」
「ごめん、今はあの人を一人にしておけない。」
泣きながら謝る華を健太郎は許してあげようと思った。
この5年、あの男のことで華はずっと苦しんでいたから。
「わかった。もう止めないよ。」
その夜、健太郎は久しぶりにクルミに逢いに行った。
クルミは2年経ってもまだ同じ店で働いていた。
健太郎を見て、すごく嬉しそうに笑うクルミを健太郎は愛しいと思った。
健太郎はクルミの前で泣いた。
クルミは何も言わず傷ついてる健太郎を抱きしめてくれた。
華は前より明るくなって時々笑顔を見せた。
知り合ったばかりの華に戻ったようで
翔琉は華は幸せなんだと思った。
「夏希とは別れたんだ。
気が合わなかったというか…色々あってね。」
華は離婚の大変さを知っている。
翔琉が今、一人で居るのが心配になった。
「俺はきっと誰も幸せに出来ない。
華も俺と別れて良かったみたいだね。」
「翔琉もいつかきっと幸せになれる人と逢えるわ。」
華はそう言ったけどまだ翔琉に未練が無いわけではない。
でも翔琉と不倫したことで健太郎を不幸にした罪がある。
「…もう俺は華を愛したように誰も愛したりしない。」
その言葉が胸を突き刺すように華を苦しめた。
「翔琉…お願いだから…幸せになって。
じゃないと私…」
華はそこまで言って言葉を飲み込んだ。
「大丈夫だよ。俺には華との想い出がある。
華と毎日会って、スポーツクラブへ行ったり、
華の絵を描いたり…
あの頃は楽しかったね。
ずっと友達でいれば良かった。
そしたら今も隣に住んで華を失わずに仲良くしていられたかな?」
華はそれを聞いて涙が出そうになった。
「私はあの時愛し合った記憶が宝物なの。
後悔してない。
翔琉が描く絵を見るたび翔琉とのあの時間を思い出したの。」
「そうだね。
華と愛し合わなきゃあんな絵は描けなかった。
俺が思い出す華は友達の華じゃない。
ホントはいつも淫らなあの時の華だった。」
別れるとき、華は翔琉の後ろ姿を見てすごく寂しくなった。
翔琉はまるで世捨て人のようだった。
華はその背中を追いかけて後ろから抱きしめた。
「翔琉…私…どうしたらいい?
どうしたら翔琉を幸せにできる?」
翔琉はそんな華をまた愛したくなる。
華だけしかもう愛したり出来ないのだから。
「実は…俺は友達の伝で美術関係の仕事が見つかってね。
来月ニューヨークに行くつもりだ。
華…付いてきてくれないか?
連絡待ってるから。」
翔琉は華に連絡先の入った名刺を渡して早足でその場を立ち去った。
華に断られるのが怖かった。
華は封印していた気持ちが一気に溢れてしまった。
忘れようとしていたがやっぱり何年経っても翔琉を愛している。
華は今度こそ翔琉に付いていこうと思った。
例え健太郎を悲しませても翔琉を一人に出来ないと思ったのだ。
そして華は心を決めて健太郎に気持ちを打ち明けた。
健太郎はどこかで覚悟していた。
華はいつかあの男のところへ行くだろうと…
だから籍も入れられなかった。
そして今度こそ華を自由にしてあげようと思った。
「どうしても行きたいんだよな?」
「ごめん、今はあの人を一人にしておけない。」
泣きながら謝る華を健太郎は許してあげようと思った。
この5年、あの男のことで華はずっと苦しんでいたから。
「わかった。もう止めないよ。」
その夜、健太郎は久しぶりにクルミに逢いに行った。
クルミは2年経ってもまだ同じ店で働いていた。
健太郎を見て、すごく嬉しそうに笑うクルミを健太郎は愛しいと思った。
健太郎はクルミの前で泣いた。
クルミは何も言わず傷ついてる健太郎を抱きしめてくれた。