クールな御曹司と愛され政略結婚
訳あり婚
「お花のイメージはおありですか?」
「かわいらしすぎないのがいいです、カラーとか。葉もたくさん入れて」
「ならブーケも装飾も、白とグリーンで統一しようぜ、お前らしいし」
「どういう意味?」
「変に甘えてないって意味だよ、怖い声出すな」
ウェディングプランナーの女性が、私と、その隣に座る男に笑顔を向けた。
「すばらしいですね、こういった細かいお話になると、無関心になってしまう男性のほうが多いんですよ」
真っ白なテーブルに頬杖をついていた彼が、ちらっと私を見る。
「そうなんです、すばらしいんです」
適当に同調した私の足を、テーブルの陰で蹴ってきた。
痛いな。
ちゃんと本心なのに。
「あ、失礼」
彼のシャツの胸ポケットで携帯が震えた。
プランナーさんに断って会話を始めたものの、すぐに声が険しくなってくる。
「すぐ行く。セッティング、一度止めて」
「どうしたの」
「菅原(すがわら)の現場だ。劇車がまだ来ないと」
「クライアントさんが持ち込む予定だった車?」
「そう、輸送会社を使うのを強靭に嫌がられたから仕方なく任せて、念のため昨日も確認の電話をした、あれ」
お互い、ため息をぐっとこらえた。
「場所変えるのも視野に入れて、使えるスタジオ探しとく」
「頼む。機材の調整はこっちでするから。ここが済んだら現場に来てくれ」
すばやくジャケットを羽織り、鞄を持って出ていく。
ガラス張りの建物からは、しゃれたショップの並ぶ通りを足早に駅に向かう、長身の後ろ姿を見送ることができた。
「かわいらしすぎないのがいいです、カラーとか。葉もたくさん入れて」
「ならブーケも装飾も、白とグリーンで統一しようぜ、お前らしいし」
「どういう意味?」
「変に甘えてないって意味だよ、怖い声出すな」
ウェディングプランナーの女性が、私と、その隣に座る男に笑顔を向けた。
「すばらしいですね、こういった細かいお話になると、無関心になってしまう男性のほうが多いんですよ」
真っ白なテーブルに頬杖をついていた彼が、ちらっと私を見る。
「そうなんです、すばらしいんです」
適当に同調した私の足を、テーブルの陰で蹴ってきた。
痛いな。
ちゃんと本心なのに。
「あ、失礼」
彼のシャツの胸ポケットで携帯が震えた。
プランナーさんに断って会話を始めたものの、すぐに声が険しくなってくる。
「すぐ行く。セッティング、一度止めて」
「どうしたの」
「菅原(すがわら)の現場だ。劇車がまだ来ないと」
「クライアントさんが持ち込む予定だった車?」
「そう、輸送会社を使うのを強靭に嫌がられたから仕方なく任せて、念のため昨日も確認の電話をした、あれ」
お互い、ため息をぐっとこらえた。
「場所変えるのも視野に入れて、使えるスタジオ探しとく」
「頼む。機材の調整はこっちでするから。ここが済んだら現場に来てくれ」
すばやくジャケットを羽織り、鞄を持って出ていく。
ガラス張りの建物からは、しゃれたショップの並ぶ通りを足早に駅に向かう、長身の後ろ姿を見送ることができた。
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