クールな御曹司と愛され政略結婚
すでにダブルサイズのベッドの上は、絵コンテや前回のオーディションの資料で埋め尽くされている。
その隙間にお互い座り込み、それぞれ膝にPCを置いて、メモを取りながらひたすら動画をチェックする作業が始まった。
30分ほど経過した頃、灯がつぶやく。
「なんとかいけそうだな」
「念のため、時間ぎりぎりまで集め続けてもらうのがよさそうだね」
朝7時には阿部くんともその認識を共有し、現地に連絡を入れた。
その間もオーディションをリアルタイムで見るための環境を整えたり、求めている役者像をキャスティング会社と再確認したり、更新されてくる動画をチェックしたり。
お昼前には現地でのオーディションが始まり、それは夕方まで、すなわちLA時間では深夜まで続いた。
これという人が見つかったのは、本当にラッキーだった。
容姿、演技力とも申し分ない。
録画しておいた演技の動画を灯と繰り返し見て、阿部くんともじっくり相談し、その人に決定する。
クライアントにも報告を入れ、すべてが片付いた頃には夜9時になっていた。
ベッドにいると寝てしまうという理由で、途中からリビングに場所を移した私と灯は、新品の革のソファに突っ伏して、声も出せないほど疲弊していた。
何時間寝ていない?
40時間くらい?
「腹減った…」
「なにか取ろうか」
冷蔵庫は空っぽなのだ。
買い出しに行くタイミングもなかったので、2回出前を頼んだのだけれど、そういえば最後に食べたのは昼過ぎだったかもしれない。
灯がむくっと起き上がり、廊下へ出ていく。
寝るんだろう。
私も完全に、空腹より眠気が勝っている。
ふらふらと後を追って寝室に入ると、灯はもうベッドに入っていた。
脱ぎ捨てたシャツとスエットが床に放り出してある。
その隙間にお互い座り込み、それぞれ膝にPCを置いて、メモを取りながらひたすら動画をチェックする作業が始まった。
30分ほど経過した頃、灯がつぶやく。
「なんとかいけそうだな」
「念のため、時間ぎりぎりまで集め続けてもらうのがよさそうだね」
朝7時には阿部くんともその認識を共有し、現地に連絡を入れた。
その間もオーディションをリアルタイムで見るための環境を整えたり、求めている役者像をキャスティング会社と再確認したり、更新されてくる動画をチェックしたり。
お昼前には現地でのオーディションが始まり、それは夕方まで、すなわちLA時間では深夜まで続いた。
これという人が見つかったのは、本当にラッキーだった。
容姿、演技力とも申し分ない。
録画しておいた演技の動画を灯と繰り返し見て、阿部くんともじっくり相談し、その人に決定する。
クライアントにも報告を入れ、すべてが片付いた頃には夜9時になっていた。
ベッドにいると寝てしまうという理由で、途中からリビングに場所を移した私と灯は、新品の革のソファに突っ伏して、声も出せないほど疲弊していた。
何時間寝ていない?
40時間くらい?
「腹減った…」
「なにか取ろうか」
冷蔵庫は空っぽなのだ。
買い出しに行くタイミングもなかったので、2回出前を頼んだのだけれど、そういえば最後に食べたのは昼過ぎだったかもしれない。
灯がむくっと起き上がり、廊下へ出ていく。
寝るんだろう。
私も完全に、空腹より眠気が勝っている。
ふらふらと後を追って寝室に入ると、灯はもうベッドに入っていた。
脱ぎ捨てたシャツとスエットが床に放り出してある。