桃色恋模様



この声。



「・・・卓?」


まるで、時が止まったみたいだった。



「今までは飛びついてきたくせに。」


なんだろ。

後ろからも卓の声が・・・


「今、後ろにいるのにも気づかない。」


嘘でしょ。


そう思いながらも、そっと後ろを向く。


「た・・・く・・・」


皆は、アタシよりも先に卓に気づいてたみたいで。

皆が卓のことを見てる。


やばいよ。

アタシ、今すぐにでも、泣いちゃいそうだよ。


卓を見れるだけで、すっごく嬉しい。


アタシ、本当に、卓依存症だね。


「ねえ、卓。」

「ん~?」

「あのね、アタシ・・・」

「俺、中学3年生だよ?」


アタシの言葉を無視して、卓はアタシに言う。


「そんなの、知ってるよ?」

「年下・・・だけど?」

「いいの。」

「・・・生意気で、甘い言葉の一つも言えないけど?」

「それが、卓でしょ。」


卓が好きで。

それ以外、何もないの。


年の差だって、
甘い言葉を言ってくれなくたって。


アタシには、関係ないんだ。





< 24 / 27 >

この作品をシェア

pagetop