桃色恋模様
この声。
「・・・卓?」
まるで、時が止まったみたいだった。
「今までは飛びついてきたくせに。」
なんだろ。
後ろからも卓の声が・・・
「今、後ろにいるのにも気づかない。」
嘘でしょ。
そう思いながらも、そっと後ろを向く。
「た・・・く・・・」
皆は、アタシよりも先に卓に気づいてたみたいで。
皆が卓のことを見てる。
やばいよ。
アタシ、今すぐにでも、泣いちゃいそうだよ。
卓を見れるだけで、すっごく嬉しい。
アタシ、本当に、卓依存症だね。
「ねえ、卓。」
「ん~?」
「あのね、アタシ・・・」
「俺、中学3年生だよ?」
アタシの言葉を無視して、卓はアタシに言う。
「そんなの、知ってるよ?」
「年下・・・だけど?」
「いいの。」
「・・・生意気で、甘い言葉の一つも言えないけど?」
「それが、卓でしょ。」
卓が好きで。
それ以外、何もないの。
年の差だって、
甘い言葉を言ってくれなくたって。
アタシには、関係ないんだ。