桃色恋模様



「ねえ、卓。」

「ん~?」

「・・・好き。」


たとえ、彼女がいたって、

叶わない恋だって。


卓のことが、好きなんだよ。


アタシがこんな一途だなんて、知らなかった。


「好き。大好き!!」


そう言った瞬間、卓に後ろから抱きしめられて。


「知ってる。」


携帯を通した声と、耳元で聞こえる卓の声が聞こえて。


「た~く~。」


アタシは胸が苦しくなって。

涙が溢れてきた。


「卓・・・彼女っいないの~?」

「勘違い。俺の話、全然聞かないんだもん。」

「そっだっけ?」


そういえば、なにか言いかけてた気が・・・。

アタシがいけなかったの・・・?


「卓は・・・アタシのこと――」


好きなの?

そんな言葉は、今度は、卓の唇に遮られて。


「・・・好き、みたい。」


なんて、真っ赤な顔で言うから。

可愛くて、愛おしくて。


「可愛い・・・」


アタシは思わず言っちゃったんだ。



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