桃色恋模様



「ただいま~」

「おかえり~」


やっと着いた我が家。

あんな性格で、シャイな卓は、もちろん家まで送ってくれることも無くて。


犬のポチがいる家の前でいつも別れる。


そのときの切なさったら、もう大変なもので。

いつも卓のカッコイイ後姿が見えなくなるまで、アタシは前に進めないんだ。


「今日は、杉谷君とはどうだった?」


ニヤニヤしながら、妹が聞いてくる。


アタシの妹は、中学3年生で。
そうなんですよ。

素敵な卓君と同じ学年なんですよ!!


しかもしかも、同じ学校!!

最初は、妹がアタシと同じ学校に通うのは嫌だ、とか思ってたけど。

今では感謝カンシャで。


「卓は相変わらずかっこよかったよ~♪」

「ははは、体育の授業のとき、お姉ちゃんの声、丸聞こえだったよ。」


あ。
そういえば、卓も今日の帰り道言ってたっけ。


「お前、体育の授業のとき、うるさすぎ。」


アタシは思いっきり睨んでやろうと思ったら、


「怒られねえの?」


なんて、可愛いこと言うから。


「卓のためなら、こんなの1時間で終わらせちゃうんだから!」


そう言って、今日やり終えたばかりの課題わ見せると、


「あっはは!!お前すげえ!!」


なんて言って。

キラキラした笑顔で爆笑してるから。


アタシも卓の隣で笑ってたんだ。




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