【短編集】その玉手箱は食べれません
「タイムカプセルを掘ってると正直に話せばわかってもらえるさ」
「でもぉ~」
トモヤの答えにノリ子はあまり納得していない様子。
「みんなで頭を下げれば問題ないよ」
ユウキの楽観的な態度はノリ子を黙らせる効果があった。
「ええ~と、確かここから15歩校舎へ進んだところだったな」
ユウキが黄色いタイヤとびから歩き始め、足をとめると「ここだな」とスコップを地面に突き刺す。
「いまのユウキと中学生のときのユウキを考えたら歩幅は広くないか?2歩くらいさがったところじゃないかな」
それまで口数が少なかったツバサが細かく修正点を指摘する。