【短編集】その玉手箱は食べれません


「おまえはいつも冷静だな」

 ユウキは苦笑いして言われたとおり2歩さがったとこへ移動する。


「さすが官僚」

 トモヤが茶化し気味に持ち上げたがツバサは反応しなかった。


「よし掘ろうぜ」

 男3人が黙々と土を掘りはじめた。


「来年、校舎を取り壊してなにが建つんだ?」

 トモヤが誰にでもなく尋ねる。


「大手のショッピングセンターらしいぜ」

 ユウキが手の甲で汗を拭いながら答えた。

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