【短編集】その玉手箱は食べれません


「あと4年はタイムカプセルを掘らないつもりだったのに、計画が狂っちゃったね」

 ノリ子はしゃがんで3人の働きぶりを監視していた。


 しばらくするとカチッとスコップの先が何かに当たった。


 トモヤが素手で土を退けると座布団一枚分くらいでアルミ製の上蓋が姿を見せた。


「26年振りのご対面だ」

 トモヤが歓喜の声を上げ、上蓋を外そうとしたが、サビついて蓋の溝が本体と同化して離さない。


 周りを広げ、水平にしたスコップの剣先で蓋をこじ開けようとしても駄目だった。


 さらに掘り、男3人が力を合わせて引き上げようとしてもタイムカプセルはビクともしない。

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