【短編集】その玉手箱は食べれません


「やけに重いな……タイムカプセルを埋めた当日の新聞だとか、あとはガラクタと手紙くらいしか入れなかったよな?」

 トモヤがみんなに向かって訊く。


「30年後の自分に宛てた手紙を5人で朗読し合うようにというのが約束だった」

 ユウキが補足する。


「そうそう5人で……」と言ったあと、トモヤが絶句した。


「あと1人、誰だ?」

 ユウキが動揺する。


「ミサキさんだよ。まさか、みんな忘れてたのか?」

 ツバサは三人の顔を見回した。

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