【短編集】その玉手箱は食べれません
「どうりで重いわけだ」
「あのときはミサキをバラバラにしてタイムカプセルに入れちゃえということになったんだよな」
ユウキとトモヤはツバサから目線を逸らす。
「でも、タイムカプセルを見るまでミサキさんのことを忘れていたなんて……おとなしくて目立たない子だったけど……私たちって薄情な人間だわ」
ノリ子が遠い目をして呟く。
「おまえら嘘だろ……下手な芝居までしてミサキのことを忘れるつもりなのかよ」
それまで冷静だったツバサが怒りを爆発させた。
「シッ、まずいぞ、誰かくる!急いで土をかぶせるんだ!」
ユウキが小さな声に焦りを滲ませて指示を出し、タイムカプセルに土をかけていく。