【短編集】その玉手箱は食べれません
「1階を少し通り過ぎたところだな。手を伸ばせばよじ登れる」
「ラッキー」
「それよりこんな簡単に扉が開くものなのか?もっとメンテナンスも含めて根本から考え直さないといけないな」
「外観は立派なのに中の構造はめちゃくちゃだ」
「まるでおれたちの国みたいだな」
「おれたちはこのエレベーターを建設するだけしか脳がないと周りの国から言われているのに……」
「エレベーターの階数を増やしては故障を繰り返しているうちに、国の予算を圧迫して生活が苦しくなってしまった」