【短編集】その玉手箱は食べれません


「馬鹿だなぁ~、このエレベーターに完成なんてないんだよ。造り続けることに意味があるんだ」


「それだと一生貧乏なままだ」


「みんな平等に貧乏なんだから文句言うなよ。他の国はもっとひどいらしいぞ」


「そうなのか?」


「あまり深く考えるな」


「そうだな」


「おれから先に行くぞ。よいっしょ……おい、ケツを押してくれ!」


「わかった」


 ガタッ……ガタ、ガタ……。

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