【短編集】その玉手箱は食べれません
アラームをセットしたのは7時10分。
しかし、目覚し時計の針は7時28分を指していた。
寝坊したが慌てるほどじゃない。
朝食を抜けば問題なく会社に間に合う。
無意識にアラームをとめて2度寝することはよくあることなので、不幸中の幸いだったと苦笑いを浮かべるしかない。
ベッドから下り、郵便受けから朝刊を取りに行くと、なんと新聞が濡れていた。
文字はなんとか読めるが、新聞紙はふにゃふにゃで捲ると破けてしまいそうだ。