【短編集】その玉手箱は食べれません


 アラームをセットしたのは7時10分。


 しかし、目覚し時計の針は7時28分を指していた。


 寝坊したが慌てるほどじゃない。


 朝食を抜けば問題なく会社に間に合う。


 無意識にアラームをとめて2度寝することはよくあることなので、不幸中の幸いだったと苦笑いを浮かべるしかない。


 ベッドから下り、郵便受けから朝刊を取りに行くと、なんと新聞が濡れていた。


 文字はなんとか読めるが、新聞紙はふにゃふにゃで捲ると破けてしまいそうだ。

< 169 / 197 >

この作品をシェア

pagetop