【短編集】その玉手箱は食べれません


 しかし、石は沈まずに歪な形を表面からさらけ出したまま落ちていかない。


 生き物だけ沈むのかな?


 小動物を使って実験するのはさすがに可哀相だし、危険すぎるので近寄るのはよそうと決めた。


 無難な選択をして水たまりのことを忘れようとしたが、家から外へ出たとき、帰ってくるとき、どうしても気になる。


 無視しようとすればするほど視線が路地裏へと注がれる。
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