【短編集】その玉手箱は食べれません
「見ればわかるだろ。愛玩用犬型ロボットだよ」
おれはポチ2号を抱き上げた。ポチ2号は愛想の悪い警備員にも尻尾を振ってご機嫌をとろうとする。
「消毒してください」
警備員が冷淡に指示をする。
「これは本物の犬じゃないんだから消毒する必要はないだろ?」
「愛玩用犬型ロボットは犬と同じ生活習慣が伴っているので、消毒しなければいけない規則になっています」
「家の中で飼ってるから大丈夫だ」