【短編集】その玉手箱は食べれません
途端に銃声が病院内に響いた。
一瞬、目の前が真っ白になると、力が抜けておれは倒れた。左脇腹のあたりから白い液体がとめどなく出てくる。
銃を向けながら防弾チョッキを着た警官が近づき、おれが落とした銃を拾い上げ「クリア」と、肩に装備してある無線に報告した。
「おまえが呼んだのか?」
担当医が振り向いて警備員4号に尋ねた。
「はい、脳に埋め込んでいる無線で応援を呼びました」
警備員4号は自らの機能を主張した。
通話システムだけは最新らしい。