【短編集】その玉手箱は食べれません
この街に来て夜に外へ出るなんて自殺行為に等しいが、おれは数分前に街角で奴らの仲間を自慢のウィンチェスターライフルで仕留めたばかり。
獲物を手に入れたばかりのおれは高揚し、祝杯を挙げたい気分だった。
なんでもこの街でバーを経営する愚か者が現れたらしい。
噂を聞いてから一度は寄ってみたいと思っていた。
おおまかな住所しか知らなかったが、額縁のような大きな窓から自慢げに明かりをもらす建物は異様に目立っていた。