【短編集】その玉手箱は食べれません


「な、なんだコイツ?!」

 坊主頭の若い男はおれを化け物でも見るかのような顔をして離れていく。


 どうやらおれの強さを知らない身の程知らずがまだいるようだ。もっと大勢の人間に認知させないといけないのか?


 あぁ~面倒くさい。


 そう思っただけでムカつく。腹も減る。体力を維持しないといけない。しかし、金はない。


 狙ったのはコンビニ。


 店の奥の冷えた飲物が陳列されているガラスケースのところから助走をつけ、レジ横のおでん種が煮込んである保温器に口を突っ込んだ。


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