【短編集】その玉手箱は食べれません


       ★
       ★
       ★


 なにやら話し声がしておれは目を覚ました。


 まず、目に飛び込んできたのは等間隔に縦に並ぶ鉄の棒。


 その格子と格子の間から白衣の男と金髪の若者が会話している姿が見えた。


「どこで倒れていたんですか?」

 白衣を着た男が尋ねた。


「200メートル先の路地裏だよ」

 答えたのは金髪の若者。


< 80 / 197 >

この作品をシェア

pagetop