【短編集】その玉手箱は食べれません


「よく見つけましたね」


「道路に血の痕があったからな」


「そうなんですか」


「ケガの具合は?」


「いまのところ命に別状はありませんが、重症です。背中の銃創らしきケガが原因だと思われます」

 白衣の男は深刻な顔をして答えた。


「銃創?」と、金髪の若者が訊き返す。


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