最低彼氏にはさよならがお似合い
非日常には無視がお似合い



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金曜の夜から土曜の朝まで飲み続けて、二日酔いの相川さんに薬と胃に優しい朝ごはんを用意して別れを告げた。

それ以降、一切の連絡が取れなくなった相川さんを、頭の片隅で思い出しつつ休みが明けた。


「おはようございます」

掛けられる声に反応しつつ、相川さんを探す。

「高橋、」

相川さんの隣のデスクの高橋に声をかければ、奴はどうしてか、ふて腐れて振り向いた。

「おはようございます、夏帆さん」

「…………なに、機嫌悪いの」

「夏帆さん、心当たりないんですか?」

「え、私のせい?なんで?」

「金曜勝手に帰っちゃったじゃないですか!」

「……あー、」


思い当たるところがあった。
確かに、水瀬が声をかけたふたり以外には無言で退出になってるんだな。



「ごめんごめん、ちょっと飲みすぎて」

適当に手を合わせてみれば、図々しくも、じゃあ、と言い出す。


「ご飯いきましょうよ」

「ランチ?いいよ」

「あ、あーっと、まあはい。じゃあ楽しみにしてます」


煮え切らない、曖昧な返事に首をかしげるもパソコンに向いてしまった高橋に機嫌が直ったならいいか、と納得して自分のデスクにつく。


いやまて、そもそも私が高橋の機嫌をよくする必要ってないんじゃないか。

気づかなくていいそれに気づいてしまって、朝からため息。


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