最低彼氏にはさよならがお似合い


「相川さん、お疲れ様です」

「おー」

この返事、全然内容聞こえてないな。
今ならどんな悪口言っても、あーだのえーだのしか返ってこない。
いつもならいいが、今それは困る。

「ランチ行きませんか」

「あー」

「休憩も大事ですよ」

「んー、……!櫻井いつからいた?」

「さっきからです」

割りと早く気づいてくれたので、もう一度繰り返す。

「ランチ行きましょう」

「いいけど、櫻井朝高橋と約束してなかったか?」

「……色々あるんですよ」

見ればわかる、と ともかく頷いてくれた相川さんを連れだって、高橋の元へ戻ると

「遅い、櫻井」

割り込んできた張本人だというのに偉そうにしている男。


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