最低彼氏にはさよならがお似合い


元々、ルックスの良い男たちだし、相川さんと水瀬に至っては仕事もできる。

モテるという話は、よく聞いていたけれど実際目の当たりにすると、イケメンにはなりたくないなと、つくづく思った。

食堂へ着くと、あちらこちらから同席のお誘いが飛んできて、時折刺さる視線が痛い。


彼らはまったくその誘いに乗らず、すべてをかわして私の確保した窓際の席に腰を下ろした。

「……なんか、失敗したわ」

戦場を切り抜けた戦士の気分、もしくは批難を一身に浴びる裏切り者的気分で精神的に疲れきって呟いたのに、


「うどん食べたくなったのか?」

「俺の親子丼、食べますか?」

「寄越せ、食ってやる」

次々、間を置かずに返事が返ってくる。



「……ばかなの」

あまりのとんちんかんすぎる発言に、こいつらにとっては騒がれるのは日常茶飯事で気にすることじゃないらしい。

と思い知らされてさっきまでの疲労も失せるくらい呆れて笑えた、でも今はそれよりも

< 18 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop