最低彼氏にはさよならがお似合い
「水瀬、ちょっと勝手に食べないでよ。私のオムライス」
あげるとは一言も言ってないのに、勝手にスプーンで掬うと、一口。
「夏帆さん、俺もオムライス食べたいです!」
「じゃあ俺も貰おうかな」
「自分で買ってきなさいよ……」
意味のわからない便乗する奴らに
私のため息に含んだその声は聞こえぬものとして抹消された。
なんだかんだ一口ずつ交換して。
後日お礼、と称して彼らは各々くれた。
高橋からはコンビニのお菓子
相川さんは有名ケーキ屋のフルーツタルト
水瀬は私が欲しいと思っていた日本ではまだ未発売のネックレス。
本当にこういうところが、彼らの好かれる、憎めない所以なんだろう。