最低彼氏にはさよならがお似合い
「ごめん、食事前にする話じゃないわね」
なんで私は謝っているのだろうか。
まわらない頭を放置して口を開きかけたとき、店員がグラスに注がれた烏龍茶を運んできた。
「ねえ夏帆」
お互いに烏龍茶を飲んだところで、水瀬が口を開いた。
「今まで散々夏帆のことほったらかしにしてたのは認める、ごめん。反省してる。
だからもう一度、俺にチャンスくれない?
今度は絶対に幸せにするし、離さない。」
真剣な顔で真摯に紡がれるその言葉を信じたいと思ってしまう私は大概ばかだ。
そしてこいつはこんなに腰が低かっただろうか。もっと俺様で私の意志を尊重何てしてなかった気がする。
其れはさておき、
「……」
なんで迷ってるんだ私は。
さっさと水瀬の言葉を一刀両断すればいいのに。
俯いて黙る私に水瀬もなにも言わない。
からん、時折グラスの中の氷が音を立てる。
「…………水瀬」