最低彼氏にはさよならがお似合い
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初めは企画課の20人程度だったのに、他の課の知り合いを連れてくる人がだんだん増えて、みんなアルコールが入った頃には、約2倍の人数になっていた。
勿論、平野さんは来てすぐに相川さんの隣を獲得。
もう片方に座る女の人と睨み合いながらも仲良くやっていた。
「みんな、平和ね」
焼酎をひとり飲みながらその光景を微笑ましく眺めてしまうあたり、だいぶ年の差を感じ、若干センチメンタルにならないこともない
「夏帆さん、飲んでますか?楽しんでますか」
「あら、高橋。お疲れさま」
さっきまで三国さんたち企画課のお兄様方に捕まって、飲まされて、絡まれて、大変そうだった高橋がようやく抜け出せたみたい。
かなりくたびれているけれど。
あの人たち普段は仕事できるし人もいいのに酒はいると、そろって絡み酒するのよね。
私も極力近づかないようにしてるし。
「あー、はい。アリガトウゴザイマス」
「かたこと、よっぽどだったのね」
「それはもう。いや、それよりまだ来てませんか?」
「まだ誰か来るの、」
「あれ?夏帆さん聞いてませんか、水瀬さんも仕事終わったら合流するって」
「……へえ、そう」
「反応薄いっすね」
「……どんな反応がお望みで」
「えぇーっと、」
悩み始めた高橋を横目に焼酎を徳利に注ぎ、一気に飲み干した。
と、ざわめきだした入り口付近。
想像はつくも、一応顔を向けてみた。