最低彼氏にはさよならがお似合い


いらっしゃいませ~、元気のいい店員の声に相川さんがビールを2つ注文する。

その姿をぼうっと眺めていれば、視線が交わった。


「……相川さんて、」

頭が動くより先に口が動いて自分でも何を言いたいのかわからない。


「今日は素でよく笑いますね」

「え?」

「あ、」

「櫻井?」

「お待たせしましたぁ~」

元気のいい店員さんの声にふたりでお礼を言ってジョッキを受け取った。

反応に困っている相川さんをほっといて、何事もなかったかのように声をかけた。正確には、かけるべき言葉が分からないから話を流したともいうけれど。


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