最低彼氏にはさよならがお似合い


「じゃあ、後輩の子呼びなよ。柚花ちゃん、だっけ?高橋の同期なんだろ?」

「深海ですか?まあ、あいつ夏帆さん大好きだから呼べば来るだろうけど。煩いですよ」

顔をしかめる高橋は、何をそんなに拒むのか。

「あのこいいこじゃない。すごく」

「夏帆さんの前では猫被ってるんですよ」

「ふうん、まあ声かけてみるか。もうお昼行ってるだろうけど」

と、電話を掛けてみればちょうど社食に行こうとしていたところらしく、すぐ行きますと切られた。


「若いねえ、」

柚花ちゃんの声が聞こえていたらしく、相川さんは目を細め沁々と呟いた。


「…………相川さん、年取りましたね」

「櫻井、お前喧嘩売ってる?」

ぎろっと睨まれたのでさっと視線を外した。


「さーくーらーい~」

「あ、柚花ちゃん」

恨みがましい相川さんの声から逃れ、タイミングよく現れた彼女に近寄る。

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