思い出す方法を教えてよ
落下
「理央(りお)!」

夏樹(なつき)が追いかけてくるのがわかった。

「待って、理央!」

肩を掴まれて、振り返ろうとした瞬間、私はバランスを崩した。
いつもの帰り道、階段を下る直前だった。

声を上げたような気がするけど、そんな時間はなかったかもしれない。ただ、痛いと感じたのは覚えている。
うっすら目を開けると、すぐそこには夏樹の顔があった。そして、そのまま意識が遠のいた。
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