名のない手紙


「はい、これ実は一つのように見えて2つなんですよ。」

「あ、」


ホントだ、とすみれが声を溢すのを見て

清の姉は微笑んだ


「ありがとうございます。えっと...」

「あ、名乗ってませんでしたね。すみません、浅倉澪(あさくら みお)です。」

「浅倉..?」

「私、結婚してるんです。」

「旦那様は...。」


とすみれは聞こうとして言葉を止めた

そんなすみれを見て、澪は空を見上げた


「戦争へ行きましたよ。だけど、私はきっと帰ってくると信じています。」

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