名のない手紙


すみれは手紙を畳んで、もう一度しまった

その瞳には、涙が溢れていた


「.....愛してる、清。」


だから、会いたい、すみれはそう呟いて

その場に音も無く崩れた


ーー...ずっと待ってるから、いつまでも待ってるから!

ーー戻ってきたら....いや、戻った時に言う。



「清、あなたは今どうしてる?元気だといいな....。」



手紙を抱き締めてすみれは泣き続けた


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