名のない手紙


「清っ!」


私は思わず清に駆け寄った

清は四年前と同じ笑顔で笑って抱き締めてくれた


「ずっとずっと、待ってたのにっ....!

今帰って来るなんてっ...遅いよぉ、清...!」

「ごめん、ごめん。」


清は抱擁の力を弱めると優しい声で


「ただいま、帰るのが遅くなってごめん。」


と言った


「お帰りなさい、清。」


私もちゃんと返す

そしての清から離れて基さんに向き合う


「あの、」

「一条 清さんですよね。」


基さんは突然、そう言った

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