名のない手紙
第一章
すみれという少女
「おはようございます。」
そう、礼儀正しく挨拶をした彼女
彼女の名は、西園寺(さいおんじ)すみれ
彼女はここ『みるくほうる』で働いている
清楚で才色兼備、そのうえ聡明な彼女はいつも笑顔を絶やさない
ただ、あるお客様が来たときだけ笑顔がぎこちなくなる
ーーカランカラン
噂をすれば、そのあるお客様がやって来た
そして相変わらずぎこちなくなる彼女を同僚が茶化す
「ほら、例の彼来たわよー?」
そう言って彼女を茶化すのは
彼女の親友、神崎(かんざき)さくら
茶髪の腰まである長い髪のすみれとは
逆に黒髪の胸元まである髪が特徴的だ