名のない手紙
もう会えなくなってしまったらと思うと恐ろしいから
そして、
自分の気持ちを知らないまま死んで欲しくないからーー
そこですみれは
自分の気持ち?
と戸惑い、驚いた
だけど、その驚きの色はすぐに消えた
だって、全て納得がいくから
すみれはため息を吐き涙を拭い顔を上げた
そして、いつものように微笑んだ...つもりでいた
でも、また瞳から溢れだした涙は留まることを知らない
清はそんなすみれを見て、表情を歪めて抱き締めた
「一条さ...」
「好きです、すみれさん。」