恋色流星群
『で、連絡した?』
「え、してないですよ。だって昨日の今日だし。まだ全然仕事落ち着いてないし!」
『ばかだな~!汗
そういうのは、スピード命なんだよ。今すぐ連絡して!』
「え、え、な、何てですか?!」
『なんでもいーけど・・・
じゃあ、昨日はありがとうございました♡でいーから!即!急ぐ!』
空港に向かう車中は、瀬名ちゃんの恋バナで大盛り上がり。
昨晩は、海辺で二人きり花火をご覧になり。
“輝く11桁の数字”を手に入れたそうで。
私の期待を超えた大躍進に、自分の悲惨な事態はすっかり忘れ。
トキメキが止まらない♡
「と、とりあえず飛行機のチェックインを・・・。汗」
『どーせまだ始まってないよ。先に!直生さんに電話する!』
「ゔゔ・・・涙」
なぜかがっくりと肩を落とし、iPhoneを握りしめとぼとぼと離れて行く瀬名ちゃん。
可愛いすぎるんだけど♡笑
喉乾いたな。
瀬名ちゃん戻ってきたら、何か買おう。
「おはよう。」
瞬間、耳元に降った
甘い音色。
背後に、感じ慣れた人の気配。
振り返られなくても分かる。
身体中の細胞が反応するから。
それでも、胸を抑え振り返ってしまうのは。
甘い眼差しを思い出した体が、本能に突き動かされるから。
要陽斗の、甘い眼差し。