恋色流星群
ごめん、と独り言を言いながら。
玄関に並ぶ理沙子のヒールをわざと崩す。
リビングに戻り、取ってきた理沙子のバッグを、転がすように床に置く。
脱衣所のドアの前で耳を澄ます。
まだ、しばらくあがってこないよな。
航さんが、上手に壊そうとしたもの。
ごめん。
今から、俺がぐちゃぐちゃにするかも。
だけど俺は、理沙の方が大事だから。
航さんは優しいから、できるだけ人を傷つけないようにするけど。
誰かを守る覚悟は
誰かを傷つける覚悟と
背中合わせだと
俺は思うよ。