恋色流星群
深夜番組のお笑いネタに、最近コンビニで見つけたスイーツ。
チョコの可愛い恋バナに、丸一日オフというのがここ何ヶ月もないこと。
なのに、今が一番楽しいと思うこと。
私はソファにうつ伏せになって、チョコは床で仰向けになる。
時々思い出したように起き上がっては、ワインを口に含む。
ゆるゆるとくだらない話を止めない。
「陽斗さん、自我あったんだ。笑」
絶対内緒ね、と念を押すと。
誰に言うの、と笑った。
満を持して公表したハワイ事件への反応は、瀬名ちゃんと同じ第一声で笑えた。
「理沙から、たまに店に迎えに来るって聞いたとき、ハワイで何かあったな~とは思ってたけど。
見直したわ、陽斗さん。めっちゃ肉食じゃん。」
要くんは。
“肉食”っていうありふれた言葉よりもずっと、熱くて強引で。
「陽斗さん、優しいでしょ?」
甘くて、私の脳みそをとろとろにかき回して。
泣きたくなるほど、優しさに足りている。
『航大もなんか様子おかしいんだよ。首輪とか言い出して。』
「首輪!やべぇ!」
『違うよ、そっちじゃなくて!笑』
大喜びのチョコに。
夜中の打ち明け話の楽しさを思い出す。
「あの人、何年も分かりにくすぎたからね。そりゃ、急にそんな態度になられたら。」
『・・・戸惑う。』
「なるほど。」
目を閉じたら、ワイングラスのカツンという音。
チョコは、可愛い顔してよく飲むなぁ。
「けど、まぁ、あの2人に同時に思われるなんてすげぇことだよ。楽しめばいいのに。」
楽しむ?
これって、楽しいの?
『うん・・・。』
「理沙、そこで寝ようとしてる?」
遠くから聞こえる、チョコの柔らかい声。
「そこで寝かせたら、俺航さんにしめられるよ・・・」
大丈夫だよ、航大にはちゃんと言うから。
私が、チョコを守るから。
声に出来たか分からないけど、私は確かにチョコに返事をして。
深い眠りに吸い込まれていった。