恋色流星群
「今日、店行く。
出勤前空いてるなら、飯食って一緒に行こう。」
久しぶりに聞いた剛田大の声は、いつもより優しく感じた。
ちゃんと、同伴して店に来るってこと。
夜中の突撃自宅訪問も少なくないけど、お店に来るときは極力筋を通してくれる。
「鰻食いたいんだけど。精が足りなくてやばい。」
下ネタか。笑って返事をして、電話を切る。
すげぇ雨だから気をつけて来いよと言われたことを思い出して、窓から外を見下ろした。
傘が咲く街。
何となく、航大と初めて会った日のことを思い出した。