恋色流星群
抱き上げて目線を合わせると。
私を真っ直ぐに見つめて、小さくしっぽを揺らしている。
『全然いいよ。何で、もっと早く連れて来なかったの。』
どうしよう。
初対面にして、早くも。愛しさが止まらない。
『名前は?』
「レオン。」
航大の声に反応して。
名前を呼ばれた彼は、私の腕の中からきゅんと首を上げて航大を見上げる。
「・・・一個、言わなきゃいけないことがあるんだけど。」
『なに?』
「前の彼女と、飼ってた犬なんだよ。」
『へぇ。』
「うん。」
『は?で?』
「え?」
お互い目を丸くしてるこの状況に。
ああ、気を遣われたんだな、と気づく。
不思議と。
嫌じゃない。
『・・・どうでもいいんだけど。今は、航大の犬、なんでしょ。』
「うん。」
『じゃあ、1ミリも何とも思わないよ。』
レオンよろしくね、と声をかけたら。
不思議そうな瞳で、私を見上げた。