恋色流星群
じわじわ来ずに。
一瞬で、トドメを刺された。
あんな歌声を聞いた後だから。甘い響きを放って、しょうがない。
“理沙、子供好き?”
『あー・・・。うん。』
大学が、幼児教育課だったことは。
秘密にしておこう。やっぱりあざとい、気がするから。
“カナっちに、子供が生まれたんだよ。来月あたり、一緒に会いに行かない?”
『え、行く!!おめでたいね!!』
“女の子だって。奥さんに似てるといいんだけど。”
『女の子は、普通お父さん似っていうよ。髭さえ生えてなければ、金田さん似でも大丈夫!』
陽斗くんの笑い声に、耳の奥がくすぐったくなった。
戸締りをもう一度見てから寝て、と。
切れた電話は、多分5分ほどだったけど。なぜか十分熱くなっていた。
カーテンを開けると。
さっきまで曇っていた空に、ちらちら見え始めていた星。
雲の切れ間から発光する大きな月が
柔らかく、回った。