恋色流星群
答えない私の代わりに。
航大の殺気が、濃くなった。
翔「また、来るよ。」
吐き気のような、息苦しさがこみ上げてくる。
エンジンの音と、走り去って行く車の音。
ぬるい汗が、背中を伝う。
『ごめ・・・』
航「行くぞ。」
忽ち引かれた手の強さに、体が前のめりに足を踏み出す。
乱暴な歩き方に、必死でついていく。
この苛立ちは、私へのものではないことを知っている。
エントランスをくぐり、誰もいないフロアでエレベーターを待つ。
黙ったままの、航大は。
もう、私の先を行くことはなくすぐ隣に存在した。
変わらず続く______むしろ、さらに感じる息苦しさに。
冷たい汗を、背中に感じた。
これって。
もしか、したら。