恋色流星群
16♯陽斗side
レコーディングスタジオ。
航は全て終わって、次が俺の番だった。
今年は、シングルを連続リリースする。
今回が二枚目だけど、俺はこの楽曲を聴いたとき、震えた。
新鮮なサウンドに、「やっと来た。これだ。」と体中に電流が走ったようだった。
この曲で、さらに高みを行きたい。
メンバー全員、同じ気持ちだった。
周囲からストイックだと言われるけど、俺自身にとってはまだまだ足りない。
俺には本当に、これしかない。
そう思って、いつも歌っている。
だから、彼女に見てほしいと思った。
「要さん、お願いします。」
ブースから出てくる航と入れ替わりに入る。
航が、すれ違いざまに目を細めて肩をポンと叩いてくれた。
頷いて返す。
お前の歌は、本当にすごい。
だけど、俺も負けない。
このplanetというチームのために、俺は絶対に負けない。
知らない番号からの着信に気づいたのは、レコーディング後AM1:00のことだった。