恋色流星群
 

火照った身体に、RMKのボディオイルを伸ばして。遠慮なく、シャネルのTシャツを頭から被った。
やっぱり、このTHE!なロゴが可愛い♡
 
航大のアイテム、結構タイプなもの多いんだよな。
これからは、いろいろ共有していけるかも。
そしてそのうち、私のものに♡



上機嫌で、コスメデコルテのフェイスパックを顔に載せて、リビングに戻れば。

“剛田大”からの着信で震える携帯と。
テーブルの上のその音を、尻尾を振って見上げているレオン。


左手でレオンを抱き上げて、右手で携帯を耳に当てる。


『もしもーし。』

「俺。もう直ぐ帰るけど、何かいるもんある?」

『え、もう?遅くなるって言ったじゃん。』

「残念そうな声出すな。笑」

 

見上げた時計は、まだ22:00前。

早くも、充実したこの家の機能に。
ゆっくり寛ごうと思ってたから、思わず素で返事をしてしまった。

久しぶりの恋愛。勘が鈍ってるな。
前途、多難かも。



一応、初夜?
少しは気合でも入れようと、スキンケアを済ませた肌に眉毛を描いて。
Diorのマキシマイザーを唇に載せたところで、少しの寒気。

もう秋だもんね。さすがに、こんなTシャツ一枚で手足放り出してたら、風邪ひきそう。





たしか、前にチョコがこの部屋からタオルとか部屋着とか出してくれたよね。

航大に保護されて、親友チョコが駆け付けてくれて。
夜通しチョコと、くだらない話で盛り上がった。
あの夜を懐かしく思い出しながら、『失礼しまーす』と呟いて、その部屋のドアを開ける。





たしか、このクローゼットの引き出しに__________


あった♡
いい感じのざっくりニットのカーディガンを見つけて、早速腕を通す。

可愛い♡モスグリーンの色合いが、絶妙。
悔しいけど、航大のセンス。
やっぱり、ちょっといいんだよね。





その時、なぜか視線が引きつけられたのは。

クローゼットとは、真反対。対角線上にある、デスクの上。
積み重ねられた雑誌の隙間から、ほんの少しだけ飛び出した。
白い、封筒の角。


 

直感。
なぜか、あれを見たいと思った。


特別、何も考えずに。
無意識に、それを引き抜いて。

欠伸をしながら、折り曲げられた封を開いて。




















___________________次の瞬間、私は部屋のカードキーを手に。



家を、飛び出した。

 
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