恋色流星群

3♯航大side


無事に2日目の撮影が終わり。スタッフと、海が見えるテラス席で飲んでいた。

久しぶりの南国と、今日やりきった仕事への手応えが生む高揚感。
みんないい感じに酔っていて、何もかもが爽快。





「え、最終日1日オフなの?!?!」


チョコが、キラキラした目で岡ちゃんに叫んだ。


「はい、出国前、相当皆さんに消化していただいたので・・・
実は、社長の指示で。最終日はオフにするよう言われて、相当詰め込んでました。」


誰も死なないでよかったです、と岡ちゃんは真面目な顔で言った。



チョコがすぐ、マリンスポーツがどーたらと言い出すのを聞きながら目を閉じる。




あー、やばい。

今、最高にいい気分だ。









「うわー、すげえ・・・」

誰かの声で、まさに目の前で始まるサンセットに気づき。
迷わず浮かんだ彼女に見せようと、携帯を手に取った。







撮りたての写真を送信して。
画面が即、既読に切り替わったのを見て何となくソワソワしてしまう。


さすがにこの景色を見れば、“胸キュン”でもするんじゃねーの?

現に俺は今、いろいろと、してる。





数秒後、帰って来たのは「どS野郎」の一言。

「何でだよ!」思わず声に出すと。

向かいの席で同じように携帯をいじっていた陽斗が、不思議そうに目をあげた。





まじで、なんだこの反応?
理解不能。奇想天外。普通、こんな返し来るか?



だけど。

やっぱり、口元が緩んだ。




思い通りにならないこの感じ。

毎回裏切られるこの感じ。




嫌いじゃない。

癖になる。






そして想像する彼女は。





やっぱり、可愛い。
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