恋色流星群
9
せっかく来たハワイで、私が一人にならないように。
瀬名ちゃんは、夜の予定を入れてくれた。
こっそり覚悟していたアウェイ感の中でも、果敢に盾になろうとしてくれてるのを感じた。
優しい子だな。泣けちゃうよ。
「社長指示です」と瀬名ちゃんがこっそりくれたルームキーが連れて行くのは。
最愛ホテルの、最上階。
最上階とは。
サタンの魔の手は、ハワイにまで及んでいたか。
ときめきで震える手が開く、扉の向こうが広げていたのは。
星と夜景が境を無くした、息を飲む世界。
泣けちゃうよ。
ここは天国か・・・
ベランダで一人、ウッドチェアに腰掛けて海を見ていた。
眼下に広がる無数の星。
遠くで静かに寄せては返す、白と青の波の音。
目を閉じれば、優しい風にふわふわ抱かれる。
幸せすぎて、泣きそう。
一人旅、いいなぁ。
(正確には、全然一人旅ではないけれど)
そういえば、ここのホテルは地下にスパがあったはず♡
時計を見ると、もうすぐ20:30。
急げば、瀬名ちゃんのお迎えにも間に合うよね。
せっかく来たハワイだもん。
ロミロミで揉みほぐしてもらって、全神経癒されちゃおう。