恋色流星群


今日は忙しかったけど、意外に客引きは早くて。

アフターの誘いも断れたし、葵ちゃんも連日飲まされた私を気遣ってか、ご飯に誘ってこなかった。

『お疲れ様です。また明日ね』

お疲れ様ですと大きな声で頭を下げるボーイくんたちにヒラヒラと手を振りながら、お店を後にした。





タクシーの中で開いた携帯には、何本かの着信履歴とLINEの通知。

『申し訳ねーが、明日にしよう・・・』
思わず呟いたら、バックミラーごしに目があった運転手さんが、「今日もお疲れでしたね」と笑ってくれた。


代わりに、ラデュレの袋を覗いてみた。薄い緑色の箱に、ピンクのリボン。

甘党じゃないけど、きゅんきゅんする。


『ん?』

箱の下になってる、白いボトル…?

裸でゴロッと入ってたのは、ロクシタンのローズのシャワージェルだった。

なんで?
ロクシタン?ローズ?シャワージェル?

?がたくさん浮かんだけど。次の瞬間、浮かんできた、ある姿。




恐らく免税店でこれを手に取り。香りを確認し、販売員さんに渡して会計をし。

私への土産にとラデュレの袋に追加する。


『可愛いすぎ?』彼のその姿は、風貌に似合わなすぎて、笑えた。


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